第124回
さあ、開店です、結果はどう? その4
開店4日目 狂った人財育成 2人が辞めた

3日目は387,400円とあい変らず好調な売上が続きます。
新聞ちらしも、手渡しちらしも行っていません。
開店告知の宣伝はないのに等しかったにもかかわらず、
驚異的な成績です。

松井さんは正直ほっとしました。
お客様の評価も高く、
特にコーヒーに関しては
他のセルフサービスカフェに較べて
美味しく、量もたっぷりあって良いという評判が
早くも拡まり始めています。

開店初日から3日間、指導をしていただき、
後は1週間後に再び店に見える予定の芝さんからも、
良く頑張ったとほめてもらうことができました。
これで何にも問題が起きなければ
松井さんにとって、
このカフェ事業は成功したと云えるのですが、
そうは簡単に終わらせられない
問題が起きました。

それは、レジ金額が1日目は2070円、
2日目は1080円、3日目は5350円と合わなかったのです。
当初はレジ担当がまだ慣れていないからだと判断し、
松井さんはあまり大きな問題と考えていませんでした。
しかし、これが実は後で大きな問題になったのです。

開店から4日目の朝、早番レジ担当の田中さんと云う
仕事の出来る女性が出勤していないのです。
体調不良や都合による欠勤の連絡もありません。
また、昼すぎレジ担当の浦原さんと云う方も
出勤していません。

心配になった松井さんは2人に連絡を取りました。
2人は家に居たのです。
そして2人とも辞めさせて欲しいと云ったのです。
その理由を詳しく聞くと、
レジ登録の金額と実際の金額が合わない事を
自分のせいだと思い、自信をなくした事。
そして、お金が合わない理由を追求せず、
いい加減なジャッジをする店に希望は持てないと云うのです。
そう、これが2人が辞めたいと云った最大の理由だったのです。

松井さんと奥様は大きなショックを受けました。
気にしなくて良いと云った
松井さんの判断は間違っていました。
そこで原因を追求するべきだったのです。

松井さんは朝礼と夕礼と文書で、
この事実を明らかにし、
全スタッフにあやまりました。


『1円の狂いは、人の人生まで左右する
管理者の仕事は部下の仕事を改善することにある』


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