第127回
最新カフェ情報異聞 その2
スイスに学べ 日本のコーヒーが変わる
サイフォン、ネルドリップコーヒーが主役に!!

今から20年前、スイスのコーヒーロースターは
苦境の内にありました。
スイス国内、約4万店ある飲食店の
コーヒーの売上げが低下し続けていたからです。

その原因をさぐって見ると、
大きな要因が見つかりました。
それは、オフィスや家庭にあるコーヒーと
全く同じコーヒーを売っていたのです。
具体的に云うと、
紙製のフィルターを用いたドリップコーヒーが
主役だったのです。
これでは何の付加価値がないと気づいた
スイスのコーヒーロースターは
一丸になって次世代のコーヒーを探しました。

やっと探し出した次世代のコーヒー、
それはエスプレッソを進化させた
「カフェクリーム」(クリームの様な泡が立ったコーヒー)
と云うものでした。

カフェクリームを取り入れることによって
コーヒーの需要を増やそうと考えた
スイスのコーヒーロースターは
イタリアのエスプレッソが30cc、
フランスが50〜60ccを抽出する所、
コーヒーの抽出量を増やし、
120ccまで抽出するようにし、
新たにカフェクリームを作るコーヒーマシンも開発しました。
今、スターバックスも使っている
「全自動エスプレッソコーヒーマシン」が
その主役をつとめました。
この運動は10年間続けられ、
何と90%のお店が従来のコーヒーから、
カフェクリームを採用するようになったのです。

日本の喫茶店は最盛期、17万店を数えました(昭和56年)。
その後、20年間、喫茶店は減り続け、
今も減少し続けています。
廃業した店のコーヒーの抽出方法は
オフィスコーヒーやファミリーレストランも採用していた
紙フィルターのドリップコーヒーでした。
スイスの喫茶店と全く同じ道を歩んだのです。

しかし、ようやくそれに歯止めがかかりそうです。
それは「フルサービスカフェの復活」で
コーヒーの抽出方法は、
「ネルドリップ」「サイフォン」「水出し」の
ジャポニズムコーヒーに主役が変わりつつあるからです。
ネルドリップコーヒーと
紙フィルターの味覚テストの結果は、
9:1の圧倒的な差で
ネルドリップコーヒーに軍配が上がっています。

もう少しお待ち下さい。
日本のコーヒーが
本当に美味しくなる時期が近づいています。


『効率の上に経営が成り立つのではない
顧客が望むものを最優先させる』


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