第52回
会社の再建手続きにはお金がかかります。

借金などが支払えないから、「民事再生」とか
「会社更生」で借金を棒引きしてもらおうとしているのに、
お金がかかるのかと思われる方もいるかもしれません。
でも、世の中、何かしようと思う場合にはお金はかかるでしょ。
特に、人にものを頼む場合には
コストがかかるのは当然のことです。
無料で、やっているのはこの「HiQ」くらいです。
だから、事前にコストを知っておくことがビジネスでは必要です。

さて、会社の再建手続きにかかるお金について、
負債総額3億円の会社が
「民事再生」を申立てることを例に説明します。

裁判所が手続きを監督するための費用が500万円かかります。
その他に印紙代や債権者への通知する切手代で数万円かかります。
民事再生の申立てをして、
債権者と折衝してくれる弁護士の費用がやはり
500万円くらいかかります。
これは弁護士によって違うので、一応の目安にしてください。
一般に裁判所に収める額と同額かそれ以上と聞いています。
要するに、これだけで1000万円は必要になってしまいます。
負債額が小さければこの金額は安くなります。

また、再建手続き中は、基本的に融資は受けられなくなるし、
仕入れも現金取引を要求されることが多いのです。
したがって、当面の資金繰りを自前で
何とかしなければなりません。
裁判所と弁護士の費用で1000万円、
その他に当面の資金繰りと、
再建手続きにはお金がかなりかかります。
だから、会社の再建を図るには、
支払いが苦しくなったなと思ったら、
早めに弁護士に相談したほうがよいのです。
弁護士は相談されれば必ず手続きに入るわけではありません。
また、弁護士は、必要があれば支払いを止めてでも
その費用を捻出したりします。

社長の個人資産もすべて資金繰りに当ててしまい、
売り掛けは早めに回収して支払いに
当ててしまったなどという切羽詰った状況では
再建に必要な費用も用意できないため
再建手続きは取れないわけです。 
取り敢えず、相談だけでもしてみてください。


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2002年11月7日(木)

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