第81回
貸し手責任(レンダーライアビリティ)って
知っていますか?

バブル経済華やかなころ
(ちなみに私は司法試験受験生でした)、
銀行は今とは違い「行け行けどんどん。向こう傷はおそれるな」
という感じで、簡単に融資してくれました。
私はよく依頼者からバブルの時には
1000万円借りるのは簡単だったけど、
今は100万円借りるのも難しいと言われます。

銀行は、不動産や株、美術品、ゴルフ会員権、
ホテルオーナー権などの購入資金を
提携ローンという形式で、貸しました。

提携ローンには、銀行にとって3つのメリットがありました。
1つはもちろん貸付から生じる利息収入です。
もう1つは、提携ローンを組むことによって
その商品の購入者は銀行からお金を借りて
商品を購入するので新規顧客の獲得につながることです。
3つ目は、銀行は商品の販売業者の事業自体にも融資して、
その融資は顧客が購入代金を支払うことにより
返済されることです。
業者にとっても、
銀行が提携ローンを組んでくれることにより
顧客が購入資金を用意し易くなって
商品を購入しやすくするというメリットがありました。
また、その他にも、
「銀行が提携ローンを組んでくれるほどうちの会社は信用がある」
あるいは「銀行が付いているから間違いない」
という銀行の信用を背景に
商品を売ることができるというメリットがありました。

顧客は、銀行が購入資金を用意してくれて、
銀行が提携している事業だから間違いないだろうと、
銀行を信用して商品を購入してしまう人がほとんどでした。
ところが、業者はバブルが永遠に続くという前提で
杜撰な計画を立てているところが多く、
バブル崩壊により業者が倒産してしまうケースも出てきました。

この場合、顧客は、事業者が倒産して、
ゴルフ会員権やホテルオーナー権が
紙切れになってしまっても
銀行に返済しなければならないかという問題が
「貸し手責任」(レンダーライアビリティ)の問題です。

今週の宿題にするには長すぎるのでやめました。
でも、今日の宿題にすることにします。
答えは明日


■今日の宿題■
このようなケースで
顧客は銀行にローンの返済を続けなければならない。
でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。


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2002年12月18日(水)

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