第135回
たった一度の賃料未払いで追い出されることはありません。

「お金を借りる」でも説明しましたが、
契約するときは、契約に違反したらどうなるか
ということを考えておく必要があります。
今回は、事務所や店舗を借りて、
賃料の支払が滞ってしまった場合は
どうなるかについて説明します。

一般に建物賃貸借契約では、
「借主が賃料を一回でも怠ったときには、
貸主は、直ちに契約を解除して、
明け渡しを求めることができる」と書いてあります。
契約に従えば、賃料の支払が1回遅れただけで、
貸主から明け渡しを求められた場合には、
出て行かなければならないことになります。

しかし、法律の世界ではそうはなりません。
建物賃貸借契約は、借主の生活の基盤である事務所や店舗、
住居のために契約されるもので、
長期間継続することを前提としています。
だから、少しの契約違反があったとしても、
大目に見ようということになっているのです。

判例の言葉で言うと
「貸主・借主間の『信頼関係』を基礎に
成り立っている契約だから、
信頼関係が破壊されたと認められる事情がある場合に、
契約を解除できる。」ということになります。
これを「信頼関係破壊の法理」と言います。
賃料未払いの場合、
どれくらいで信頼関係が壊れたと認められるかというと、
基本的には3ヶ月と言われています。
だから、賃料の支払が1回遅れたことを理由に、
貸主から建物賃貸借契約を解除するから
出て行ってくださいと言われても、
遅れながらも支払ってしまえば
明け渡しは免れることができます。


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2003年3月18日(火)

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