弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第16回
依頼者にきついことを言う

弁護士を選ぶポイントの続きです。

依頼者の弱いところ、不利なところを指摘すること
みなさんは、弁護士に依頼したら、
弁護士は自分の味方であって、
自分の主張を全部わかってくれて、
自分の方が正しいと言ってくれると思っていませんか?

でも、実際相談したり、依頼したりしたら、
弁護士から、こういう書類はないか、
何か記録に残ってないか、
相手にこういうことを言ったことはないか、
言ったとしたら、どうしてそういうことを言ったのか、
言わないとしたら、どうして言わなかったのかなど、
みなさんにとって、不利な点を根掘り葉掘り聞かれて、
まるで取調べを受けているみたい
と感じるかも知れません。

弁護士の言い方にもよりますが、
弁護士が依頼者にこのような対応をするのは普通のことで、
このようなことをする弁護士の方がよい弁護士です。
というのは、訴訟では、
相手方にも弁護士が付いているし、裁判官もいます。
そして、訴訟をして行けば、当然、
相手方の弁護士や裁判官は、
みなさんの不利な点を聞いてきます。

弁護士はそれをわかっているから、
事前に、事実関係をはっきりさせ、
不利な点をどうカバーするかを考えるため、
根掘り葉掘り、
みなさんの話したくない不利な点も含めて
聞いているのです。

逆に、みなさんの言うことに迎合する弁護士、
調子のいい弁護士は、
仕事が欲しいために話を合わせている可能性がありますし、
訴訟になったら相手方弁護士や
裁判官がどう言ってくるのか
よく考えていない可能性があります。


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