弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第63回
訴訟に勝つための作戦集16−
弁護士をうまく使うには

裁判に勝つには、
弁護士に十分に能力を発揮してもらう必要があります。
そのためには事件を依頼した皆さんも、
弁護士が仕事をしやすいようにすることも必要です。
そのためには効率的な打ち合わせを心がけたいものです。

弁護士も人間なので、
せっかく依頼者のために仕事をしようとしているのに、
依頼者の方があまり協力的でないと、やる気を失い、
必要最低限のことをすればいいや
ということにもなりかねません。

1.書類、証拠があれば用意する
  関係書類や証拠があったら、
  持参して打ち合わせをしましょう。
  「こちらの言い分には証拠があります。」と言いながら、
  その証拠を持って来ない方は意外に多いです。

  証拠の内容を口で説明してもらっても、
  日付や内容、作成者など正確でないことが多く、
  証拠として有効かどうかも
  実際に見てみなければわかりません。

  あいまいな記憶を前提に打ち合わせ、
  どういうストーリーなのか組み立てたところ、
  後から、書類を見せてもらって日付を確認したら、
  時系列が違っていたので、
  前に組み立てたストーリーは事実と違うことが明らかで、
  苦労して打ち合わせたことが無駄だったということも
  よくあることです。

  打ち合わせの前に
  FAX等で送れるならば事前に送っておけば、
  打ち合わせまでに弁護士が見ておくことができるので、
  より効率的な打ち合わせができます。

2.書類が大量にある場合は整理する
  打ち合わせに書類を持ってこない方もいますが、
  逆に、大量の書類を整理しないで、送ってきて、
  「全部送りましたので、見てください」という方もいます。

  弁護士は、普通の人よりは、
  書類を読んだりすることには慣れていると思いますが、
  あまりにもたくさんの書類を、
  どこからどこが何の書類で、
  何が書いてあるかもわからないという状態では、
  読む気がしません。

  特に、コピーやファックスの場合、
  色、大きさが同じなので、
  何種類の書類が送られてきたのかわかりづらいです。

  書類が大量にある場合には、
  どんな書類があって、
  どの書類にどういうことが書いてあるか、
  事務所に持って行ったときに説明するか、
  郵送やファックスするとしても、
  簡単なメモを入れる、付箋をつける、
  ペンで印をつける(原本にはしないでください)
  などしてもらった方が、
  弁護士も積極的に読もうという気になると思います。

次回に続きます。


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