弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第103回
不倫の代償

テレビの法律相談番組では、
みなさんの関心が高く、視聴率が取れるからか、
男女のトラブルが採り上げられます。
そのせいか、離婚の相談ばかりでなく、
妻あるいは夫の不倫相手に損害賠償請求できないか、
あるいは、不倫相手の妻や夫から
損害賠償請求されているという相談が増えています。

結婚すると、夫婦の間には、
互いに配偶者以外と
体の関係を持ってはいけない義務が生じます。
だから、結婚しているのに、
異性と体の関係を持つと、
不貞行為として、離婚事由にもなるし、
慰謝料を相手に支払う必要もあります。

結婚当事者以外の第三者も、
たとえ自分が結婚していなくても、
結婚している相手夫婦の平和な家庭を
壊してはならない義務を負います。

そこで、結婚している相手と体の関係を持つと、
相手の配偶者から慰謝料請求されることとなります。

ただし、相手が籍を抜いていなくても、
別居しているなど
完全に夫婦関係が壊れている場合には、
慰謝料を支払う義務がありません。

しかし、相手が積極的だったり、
夫婦関係が壊れているなどと言ったりした場合でも、
別居などはっきりした形で確認できない場合は、
慰謝料を支払う義務があります。

気になる慰謝料の額ですが、
100万円から300万円が多いようです。
もちろん事情によって、
それよりも少ない場合も、
多い場合もあります。

慰謝料の額は、
相手夫婦は円満であったか、
不倫により相手の夫婦関係が壊れたか、
どちらが積極的だったか、
相手夫婦の婚姻期間の長短、
経済状態、子供の有無などによって
変わってきます。

事情によりますが、
よほどの事情がないと
500万円から1000万円の慰謝料は
なかなか認められないと思います。
不倫相手から500万円から1000万円は取れるから
訴訟をやりましょうという弁護士もいるようですが、
ちょっと怪しいです。

不倫の代償として、
100万円から300万円は
安いですか?高いですか?


←前回記事へ 2004年8月31日(火) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ