弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第108回
弁護士はこんなこともする

弁護士の業務について、ほとんどの方は、
トラブルに関する法律相談
あるいはトラブルについて
訴訟、交渉を代わりにしてもらうと考えていると思います。

それでも、犯罪を行った場合に
刑事弁護をしてもらうのが弁護士
と考えているよりよいかもしれません。

もちろん、弁護士は、
犯罪をした(あるいは疑いをかけられた)場合の
刑事弁護もしますし、
トラブルが起きてしまった後に相談に乗り、
交渉や訴訟を代わりに行なうこともします。

しかし、それだけではありません。

(1)トラブル予防
お金を出すとき、契約を結ぶとき、
事業で何か行なうとき、
事前に弁護士に相談することをお勧めします。

何かを行なった後では、
弁護士はその事実関係に基づいて
処理するほかありませんから、もう遅いのです。

事前に相談してもらえれば、
法的観点から、どのような契約内容にすればよいか、
どのような手順で行なえばよいか、
その他にもどのようなリスクがあるか
アドバイスできます。

例えば、儲け話を聞かされたとき、
誰にも相談しないと、カーッとなって、
儲けに目がくらみ、すぐにお金を出してしまいがちです。
詐欺に遭う人は、大抵そうだと思います。
お金を出す前に弁護士に相談すれば、
弁護士に話しているうちに、
その儲け話がおかしいとわかって、
お金を出すことを止めることになると思います。

契約を結ぶにしても、
トラブルになりそうなことを
契約書に入れておいてもらえば、
後で起こる紛争を防ぐことができます。

それから、最近はリストラで
従業員を解雇することを
比較的簡単に行なう会社も多いのですが、
従業員を解雇するには、
法的要件を満たし、手続きを踏むことが必要です。
事前に弁護士に相談して、
法的要件を満たすことを確認しておけば、
後で争われても、慌てる必要はありません。

遺産分割についても、亡くなった後では、
親子兄弟で争うこととなってしまいます。
事前に弁護士に相談し遺言書を書いてもらっておけば、
親子兄弟などで、争う必要はなくなります。

弁護士は起きてしまったトラブルの
後始末を頼むところではなく、
トラブルを未然に防ぐために、
何かやるときに事前に相談に乗ってくれるところ
と覚えておいてください。


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