弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第107回
ホームドクターのような弁護士は存在するか?

ホームドクターというと、
一般にかかりつけのお医者さんのことです。
何かあるとすぐに相談し、
ずっと相談しているので、
お医者さんの方でも、
過去の経緯や弱いところ、
なりやすい病気などをよく理解してくれた上で
アドバイスや診察をしてくれます。
信頼関係があるので、気兼ねなく
普通聞けないようなことでも聞くことができる
という存在だと思います。

さて、法律に関しても、
ホームドクターのように、
何かあるとすぐに相談でき、
自分の会社や経済状態などをよく知った上で、
アドバイスしてくれる弁護士がいたら、
とみなさんも思うことでしょう。

法律におけるホームドクターのような制度が
いわゆる顧問弁護士というものです。

通常の顧問契約は、毎月一定額を支払い、
その代わり法律相談は月に何回しても無料
という内容が多いようです。
いわゆる定額制というものになります。
以前の弁護士会報酬規程では
会社が月5万円以上、
個人は月5000円以上と定められており、
その金額としている弁護士が多いようでした。

以前のインターネットは
接続した時間だけ料金を支払う従量制でした。
すると、料金を節約するために、
余計なホームページには
なるべくアクセスしないようにして、
十分な情報が取れなかったりしました。

今は、インターネットは定額制で
利用できるようになりましたから、
料金を気にせず関心があるページに
どんどんアクセスできるようになりました。

法律相談も、一回一回改めて法律相談に行くのでは、
気兼ねしますし、
「法律相談でこんなことわざわざ聞くのは、」
などと考えてしまいます。

それでは、十分な法律情報や
アドバイスを得ることができません。

特に、前回前々回
トラブルに遭いやすい人について説明しましたが、
トラブルを回避するためには、
トラブルが生じないように、事前に弁護士に相談し、
文書化できるものは
文書化しておくことが必要なのです。

特に、会社を経営している人、
賃貸物件などの資産をたくさん持っている人は、
顧問弁護士が必要だと思います。

サラリーマンで資産もないという人は、
一生のうち、弁護士に相談するのは、
離婚、相続、交通事故くらいで
全て起きたとしても3回ですから、
顧問契約を締結して、
相談事もないのに毎月顧問料を支払う必要はないでしょう。
その都度、弁護士に相談すれば十分です。

ただ、トラブルが起きてしまった段階で、
そこから信頼できる弁護士を探すのは
時間的にも難しいことは難しいです。
(弁護士の選び方については
 第9回から第17回第26回第27回などに書いてあります。)

いざというとき、
相談できる弁護士がいた方が
安心であることは間違いありません。

顧問契約について、関心のある方は、
私のホームページの顧問契約のページも
参考にしてください。


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