弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第9回
誰からの借金?

主婦暦20年の方からの質問です。
H12年に夫は会社の資金繰りに困り、実兄に借金をしました。
以後約束どおり、毎月年利2%の利息をつけ
滞りなく返済していましたが、
昨年夏ある事をきっかけに
ぷっつりと返済をやめてしまいました。

というのは、夫の兄は、
夫の母親の財産を勝手に使っており、
夫の借金が夫の口座に振り込まれた日に、
ほぼ同額が母の口座から引き出されていることが
判明したからです。
兄の使いようを知った夫は、
兄が母の財産を全部返すなら、
自分も返すと言い張ったのですが、
私は全く別件だから無理なのではと申しました。

このような場合、夫は夫の兄に、
借金を返さなければならないのでしょうか?
高島先生のコーナーはこんな事があってから、
最初まで遡って読ませていただきました。
非常にわかりやすく参考になりました。
ただの主婦を20年やってきて今頃やっと気づきました。
ボンヤリしてはいられないと。。。

ということですが、みなさんはどう考えますか?
このケースでは、
ご主人が誰からお金を借りたかということが問題になります。
お金を出したお母さんからか?
お金を貸したお兄さんからか?
ということです。
お兄さんも自分がお金を貸したと思っているし、
ご主人もそれまでお兄さんに返済していることから、
お兄さんから借りたという意識でしょう。

だから、ご主人は、
お兄さんがお母さんの預金から勝手に下ろしたお金を
お兄さんから借りたとしても、
お兄さんとの約束どおり、
お兄さんに借りたお金を返さなければなりません。
お母さんがお兄さんに勝手に下ろされた預金は、
お母さんがお兄さんに請求し、
取り戻すということになります。
お母さんが痴呆等の場合は、
ご主人などが後見人になって
お母さんの代わりにお兄さんにお金を返すよう
請求することができます。

お兄さんのご主人に対する請求と、
お母さんのお兄さんに対する請求を
1つの裁判ですることによって、
ご主人がお母さんに返して解決する
という方法も取れると思います。
この2つの裁判を1つに合わせることを
訴えの併合と言います。


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2004年11月9日(火)

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