弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第11回
遺産独り占めへの対抗策

財産を管理している共同相続人が、
相続財産を隠してしまい
独り占めしようとすることはよくあります。
質問のように
この場合どうするかがよく問題となります。

相続人は、遺産分割前でも、
本人の地位を相続していますから、
亡くなった本人に代わって、
財産について問い合わせをすることができます。

不動産については、
固定資産税評価証明書や名寄帳を
役所に出してもらうことができます。
銀行や証券会社には、
残高証明書や過去の取引明細書を
出してもらうことができます。

通帳等はあった方がよいのですが、
通帳等がなくても住所と氏名で問い合わせが可能です。
ただ、通帳等を
独り占めしようとしている相続人が隠している場合、
どこに預金があるかわかりませんから、
預金がありそうな金融機関全てに対し、
口座があるか問い合わせをしていくこととなります。

ただし、これらの書類を請求するときには、
亡くなった本人の相続人であることを証明するために、
戸籍謄本と問い合わせする相続人の
印鑑証明書や免許証などが必要となります。
これらによって、財産を把握し、
遺産分割調停を申し立てることにより、
遺産分割は可能です。

調停で話し合いがつかない場合は、
審判手続により、
裁判所が遺産の分け方を決めてくれます。

なお、金融機関に
亡くなった本人名義で残高が残っている場合には、
いつでも残高証明などは出してくれますが、
解約されて、口座がなくなっている場合には、
書類の保存期間がありますから、注意してください。

また、金融機関には、本人が死亡したことを伝えないと、
通帳と印鑑によりお金を引き出すことが
可能となってしまいます。
共同相続人が通帳と印鑑を管理している場合には、
勝手に下ろされないよう注意する必要があります。

相続で揉めそうな場合には、
事前にどこの金融機関に財産があるか
本人に聞いておいて、
本人が亡くなったら、金融機関に連絡し、
遺産分割が行なわれるまで
預金等を下ろせないようにしておくことも重要です。

不動産については、遺産分割協議をしなくても、
相続人の1人が法定相続分どおりであれば、
相続による移転登記をすることが可能です。


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2004年11月16日(火)

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