弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第36回
出資(投資)の回収方法

みなさんは、知り合いや取引先から、
新しい事業をするので、
出資してくれないかと
頼まれたことはありませんか?

みなさんお金持ちなのかもしれませんが、
この出資がどういうもので、
出資するとどういう権利があるのか、
よく確認せずに、
出資してしまう方もいるようです。

出資の典型例は株式です。
株式であれば、
商法という法律で内容が決まっており、
みなさん馴染みもあると思うのですが、
結構誤解して出資しているケースが見られます。

出資をして株式を取得した場合には、
株主として以下の権利を持ちます。

1.1株について1議決権があります。
  これに関連して株主総会に出席する権利、
  決算書を見る権利があります。

2.利益が出た場合には配当を受ける権利があります。

3.会社を解散した場合には、資産から負債を引いて、
  プラスの財産が残れば持ち株数に応じて、
  財産を分けてもらう権利があります。

しかし、出資した会社が上場するならば別ですが、
日本の普通の中小企業は、税金対策のためなどから、
利益は出さず配当をしないのが普通です。

それから、議決権があったとしても、
頼まれて出資した場合には、
その知人や取引先が
過半数の株式を持つのが普通です。

会社の役員選任や決算など
株主総会で決める事項は、
議決権の過半数で決めますから、
半分より少ない株式数を持っていても、
何の役にも立たず、
相手の言うとおりにするほかありません。

そう考えると、
知人や取引先から会社への出資を求められた場合、
出資をしても、
資金的に協力してあげたという恩を売る以外に
意味はないのです。

よく勘違いされている例で、
出資した会社などに、株式を買い取ってくれ
という権利があると思っている方がいます。
しかし、自分の出資した
株式の買取りを求める権利はありません。
相手が買取りに応じてくれれば、
買い取ってもらうことができますが、
こちらから強制的に
買い取ってもらうことはできないのです。

したがって、買い取ってもらう場合にも、
相手の言い値となってしまいます。
第三者に買い取ってもらう方法もありますが、
配当もしておらず、
会社の意思決定に影響力もない株式を
買い取ってくれる人はいません。

会社への出資を頼まれたときには、
そのことをよく考えて出資しましょう。


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2005年2月15日(火)

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