弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第42回
他の兄弟は父の生前お金をもらっている

■質問

父が亡くなりました。
相続人は、兄、姉、私の3人兄弟です。
父は気前がいい人で、
兄が、結婚して家を建てるときに、
2000万円を出してあげて、
姉もやはり、結婚後、
家を建てるときに
父に1000万円くらい出してもらっていました。
私は、結婚せず、父と同居していたので、
特に何もしてもらっていません。
父は、自宅(5000万円)と
株(1000万円)を残してくれましたが、
遺産分割の際に、兄や姉が結婚後家を建てるために
お金を出してもらったのに、
私は、全くもらっていないということを
考慮してもらえるのでしょうか?

■回答

相続で遺産分割をする際に、
相続人間でよく揉めることの一つに、
質問のような相続人のうち、
「ある相続人は生前に財産を分けてもらっているのに、
 ある相続人は何ももらっていないから、不平等ではないか」
という問題です。

法律(民法903条)は、
これらの不平等については、
遺産分割のときに考慮すべきで、
生前にもらった(贈与を受けた)ものも、
遺産の中に含めて計算し、
遺産分割で、
各相続人が取得する財産を決めるとしています。

この生前、贈与を受けたことを
「特別受益」と言います。
ある相続人に特別受益があったときに、
どう遺産分割するか質問の例により、説明します。

現在、遺産が
5000万円+1000万円=6000万円
これに、お兄さん、お姉さんが
生前贈与を受けた特別受益分2000万円と
1000万円を加算して、
遺産は、9000万円とします。

3人の子で相続するわけですから、
1人3000万円ずつ分けるということとなります。

実際には、お兄さんは2000万円、
お姉さんは、先に
1000万円もらっているわけですから、
残された6000万円を
お兄さん1000万円
お姉さん2000万円
あなた 3000万円
と分けることとなります。

したがって、あなたは、
法律によれば、遺産分割により
3000万円を取得することができます。

ただ、お兄さんやお姉さんが
特別受益を否定したときには、
お父さんが生きているときに、
いつ、いくらもらったかを
立証することが必要となります。


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2005年3月8日(火)

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