弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第43回
生命保険は遺産分割の対象か

■質問

母が亡くなりました。
母は娘の私を受取人とする生命保険をかけていました。
生命保険金は3000万円です。
母は、父から相続した自宅(6000万円)と
預金(1000万円)を持っていました。
自宅は売却し、預金も含めて兄と
3500万円ずつ分けるつもりでしたが、
兄は、生命保険金の半分も分けろと言います。
私が受取人の生命保険金も
分けなければならないのでしょうか?

■回答

生命保険をかけている方は多いと思います。
ある人が亡くなった場合に、
その生命保険金は、受取人のもので、
遺産分割の対象とならないのか、
それとも、前回説明した特別受益に当たり、
遺産分割の対象となり、
生命保険金をもらった受取人は
その分他の遺産を減らされることとなるのか
よく争いになります。

生命保険金が特別受益とならないのであれば、
あなたは、生命保険金3000万円の他に
自宅の売却代金と預金の半額である
3500万円を受け取ることができ、
合計6500万円を受け取ることができます。

しかし、生命保険金が
特別受益に該当するというのであれば、
お兄さんの言うとおり、
生命保険金3000万円と
自宅の売却代金6000万円と
預金1000万円の合計1億円を
2分の1である
5000万円ずつ分けることとなります。

これまで、生命保険金については
判例の結論が分かれていたのですが、
平成10年6月29日、東京高等裁判所で、
生命保険金は特別受益にならない
という判断がなされました。

この判決は最高裁判決ではないので、
最高裁まで争えば
反対の結論となる可能性もあります。

しかし、現段階の判例では、
生命保険金は受取人のもので、
特別受益には当たらないという考え方が有力ですから、
あなたは、生命保険金3000万円の他に、
遺産の2分の1である3500万円の
合計6500万円を取得することができます。

このように生命保険金については、
遺産分割の対象とはならないのですが、
相続税の対象となりますから
気をつけてください。


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2005年3月10日(木)

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