弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第57回
テレビに出ている弁護士は

最近、みなさんが法律や弁護士に
関心を持つようになった1つに、
「行列のできる法律相談所」
という番組の影響があります。

あの番組の良いところは、
1つの問題でも、
弁護士によって見方が違うということを、
みなさんにわかるようにしたところです。

一般の人は、
法律の答えは1つと思っているのが普通ですから、
この番組がこのことを
世の中に広めてくれたことは、
弁護士としてはありがたいです。

逆に、このことから、
弁護士なら、どんな不利でも、
自分に有利なことを言ってくれると
誤解する相談者が
たまにいらっしゃるので困ったりします。

さて、この番組も含めて、
テレビの影響は大きくて、
やはりテレビに出ている弁護士は、
「有能な弁護士」、
あるいは「偉い弁護士」と思われているようです。

私も、依頼者から
「先生はテレビに出ないんですか?」、
「先生も有名になったら
 テレビに出るようになるかもしれませんね。」
などと言われたりします。

ワイドショーやニュース番組など、
テレビに出演する弁護士は結構いますが、
僕は、ほとんどの弁護士と、面識もなく、
実際に裁判で戦ったことがないので、
弁護士としての能力はわかりません。

ただ、弁護士の中で、
「この弁護士はこの分野の専門家だ」
あるいは「できる弁護士だ」
と言われている弁護士が
テレビに出ることは少ないような気がします。

テレビに頻繁に出る弁護士は、
その場の雰囲気にあったことを言える弁護士であって、
それはテレビタレントやコメンテイターと
同じ能力を持っている弁護士と言えるでしょう。

しかし、それは、弁護士として、
相談を受けたトラブルなどを
解決する能力に長けている、
あるいは特定の分野で
専門的知識を持っているということとは、
全く関係がありません。

テレビに出ているから
「有能な弁護士」というわけでもありませんし、
逆に、テレビに出ているから
「無能な弁護士」というわけでもないのです。

ちなみに、僕も、自分の手掛けた事件関係で、
テレビ局の取材を受けて、
テレビで放映されたことがあります。

また、フランスのテレビ局から
取材を受けたこともありますが、
それは放映自体されたかどうかもわかりません。

みなさん、明日からゴールデンウイークです。
僕の連載はゴールデンウイーク中はお休みです。
ゴールデンウイークなのに
パソコンに向かっている方は、
過去ログや「役に立つやさしい法律講座」
「訴えられたらどうする?」でも読んでみてください。


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2005年4月28日(木)

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