弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第107回
上場か非上場か

ライブドアのニッポン放送買収から
今回の楽天のTBS買収まで、
買収する会社も買収される会社も
みなさんに馴染みのある会社のためか、
企業の敵対的買収が連日、
新聞やテレビを賑わせています。
この敵対的買収の対象となるのは、上場企業です。

よく上場企業、非上場企業と
上場という言葉が使われています。
そして、世間一般的には、
上場企業の方が良い会社と思われています。

みなさんも、
自分あるいはお子さんが就職するなら
上場企業が良いと思っているでしょうし、
女性なら結婚相手は
上場していない企業よりは
上場企業に勤めている男性がよいと
思っているのではないでしょうか。

この上場企業とは、
株をしている方はご存知のとおり、
株式を東京証券取引所など
いわゆる証券市場で
取引できるようにしている企業(会社)のことです。

上場のことは公開とも言います。
どちらも、市場で
自由に売買できるようにするという意味です。

要するに、上場企業と非上場企業の違いは、
その会社の株式を
取引所で自由に売買できるかどうか
ということにあるのです。

そう考えると、従業員にとって、
自分の会社の株が市場で
自由に売買できるかどうかは、
あまり関係ないことのような気がします。

それでも、みなさんが
上場企業がよいと考えるのには、理由があります。

株式を上場するには、
上場基準というのがあって、
それをクリアした企業が上場企業となれるのです。

例えば、東京証券取引所の上場基準では、
過去2年間で、それぞれ年間1億円、
直近が4億円以上の利益を出していることが
要件とされています。

しかも、会社の決算内容が
公認会計士によりチェックを受け、
公開されています。

即ち、上場企業は、
非上場企業と比較すると、
財務内容がよいということが
公に証明されているわけです。

だから、みなさん、
自分や夫、あるいは子供が就職するなら、
上場企業の方がよいと考えているのだと思います。


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2005年11月8日(火)

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