弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第123回
不動産の管理を任せているのに

前回、不動産取引において、
不動産屋さんは
どちらの味方なのかという話をしました
今日もその続きです。

アパートやマンションを
複数持っている場合に、
特定の不動産屋さんに、
全て管理(仲介)を任せているオーナーも
多いことだと思います。

この場合、一般的には、オーナーは、
入居希望者の審査から
賃貸借契約書の内容まで、
任せていることが多いと思います。

しかし、不動産屋さんの中には、
契約が成立すればいいという考えから、
入居者の審査も適当に済ませ、
あまり細かいことを規定していない契約書で
契約をしてしまうところもあります。

不動産屋さんの言い分としては、
入居者がいなくて部屋が空いているのは損なので、
入りたい人に入ってもらった方が
良いということのようです。

しかし、入りたい人を誰でも入れていたら、
賃料の滞納をされる可能性があります。
賃料を滞納されたときに、
借主に開き直られると、
追い出すのもなかなか
手間や費用がかかってしまいます。

要するに、入居者によっては、
入れたために部屋が空いているよりも
損をしてしまうことがあるのです。

不動産屋さんにとっては、
契約が成立すれば、
借主や貸主から仲介手数料や
広告手数料などをもらえることとなるので、
入居の条件を多少緩めても入れた方が得です。

だから、入居者や保証人の資力について甘くしたり、
契約の内容をあまり厳しくしたりしないという方向に
流れやすいのです。

いい加減な不動産屋さんほど、
近隣の状況や家賃相場、
物件の良し悪しなどの客観的な根拠に基づかずに、
「今どき、入居希望者にきついことを言っていたら、
 入居者はいなくなるよ。」と言います。

マンションやアパートのオーナーの方、
不動産屋さんに依頼する場合には、
気をつけてください。

逆に、その辺をきちんとしている不動産屋さんには
需要があるのでチャンスがあります。


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2006年1月12日(木)

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