弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第122回
不動産屋は誰の味方か?

昨年末ころから、株も上がり、
土地も東京都心では下げ止まり、
日本経済も一息というところのようです。

そこで、不動産取引も
REITなどの登場により
活発になっています。

不動産取引は、土地や建物、
マンションの売り買いだけでなく、
貸したり、借りたりという賃貸も
不動産取引です。

これらの不動産取引をしようと思った場合、
希望に合う物件を探してくれたり、
不動産取引のわからない点を、
不動産取引の専門家として
相談に乗ってくれたりするのが、
不動産屋さんです。
正式には、宅地建物取引業者です。

しかし、この不動産屋さんの仕事は、
仲介、即ち、売主と買主、
貸主と借主を結びつけることで、
一方当事者の代理人ではありません。

代理人と仲介がどう違うかというと、
代理人は依頼主の立場に立って
依頼主の利益を図るために活動をします。

仲介は、両当事者を結びつけること、
即ち契約を成立させることが目的で、
どちらが得するかは
あまり関係がありません。

そこで、不動産屋さんは、
仲介手数料を不動産取引の当事者
(例えば、売主・買主、貸主・借主)の両方から
もらえることとなっているのです。

不動産屋さんがどちらかの味方であれば、
一方からしか手数料をもらえないはずです。

だから、不動産屋さんに任せてあると、
安心しないでください。
不動産屋さんは、
自分だけの利益を考えてくれる代理人ではなく、
あくまでも仲介で、
契約相手の利益も考えているからです。

したがって、
売買や賃貸借などの不動産取引において、
代金は妥当か、
その他の契約の内容は大丈夫かなどについて、
依頼している不動産屋さんの説明を
鵜呑みにするのではなく、
自分で調べたり、他人に聞いてみたりしてから
契約を結んだ方がよいと思います。


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2006年1月10日(火)

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