弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第133回
FCによる起業

脱サラして起業をしようと思う人の中には、
フランチャイズの加盟店になって、
起業をしようと思う方も多いようです。
フランチャイズシステムというのは、
本部がビジネスのノウハウを提供する代わりに、
加盟店は多額の加盟金とロイヤリティを支払うというものです。
本部にしてみれば、他人の資金とリスクで
自分のビジネスを拡大できるチャンスが増えますし、
自分のアイデアで利益を上げられるというメリットがあります。
加盟店も、営業ノウハウや商品開発を自分でしなくても、
経営することができるというメリットがあります。

一見、本部にも加盟店にもメリットがある
よい制度のように見えます。
実際、それで成功している本部も加盟店もいますから、
フランチャイズシステムという制度自体は優れていると思います。
しかし、世の中には、
優れた営業ノウハウを持つ本部ばかりではありません。
加盟金欲しさに、次々と新しいビジネスの本部を立ち上げ、
加盟店を募っては多額の加盟金を集め、
その後は知らんぷりという詐欺みたいな本部も多いのです。

また、日本は成熟市場社会で、
市場が飽和している業界も多いですから、
これまで成功していた本部に、
これから加盟して成功できるとは限りません。
一時期隆盛だった飲食店のフランチャイズも、
今は業態変更を求められているところも少なくありません。

だから、FCで起業を考えている人は、
お金さえ払えば本部が何とかしてくれるだろうとか、
本部の調査では成功するといわれたから成功するだろうとか、
安易な気持ちでFCに加盟しないことです。

フランチャイズの加盟店と言えども、
経営者となるわけですから、
そのフランチャイズは、業界全体の中でどうなのか、
業績は伸びているのか、成功している原因は何か、
自分が店を出そうとしている商圏では、
そのことが当てはまるのか、
競合するフランチャイズはないのか、
競合店ができても勝てるのかなど自分でよく検討してから、
加盟店となることです。

前回、説明したことは、この場合にも当てはまり、
本気で加盟店になろうと思うのであれば、
自分が加盟店になる前に、
そのフランチャイズの本部や加盟店で、
従業員やアルバイトとして働いてみることをお勧めします。
そうすれば、先ほど加盟する前に検討した方がよい言ったことが、
わかってくるはずです。
加盟店になるのはそれからでも遅くありません。


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2006年2月23日(木)

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