弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第135回
病院を乗っ取られないために

前回に引き続き、病院の乗っ取りの話です。
多くの売上や現金収入が見込める会社が、
資金繰りが苦しくなって、
経営コンサルタントなどを名乗る者たちに
乗っ取られてしまうことは、これまでもありました。

乗っ取られた後は、多額のコンサルタント料を取られた他、
多額の手形の振り出し、資産の処分など
会社の資産は現金となって流出し、
負債額がコンサルタントを入れる前と
比較にならないくらい増加しており、
弁護士に相談したときには、
破産する他ないという状態になっているのが普通です。

病院も乗っ取られれば、こうなりかねません。
もちろん、乗っ取った後に元の経営者を追い出し、
新しいお医者さんを雇って、
病院の経営を継続するということもあります。
病院を乗っ取られないためには、どうしたらよいでしょうか?
弁護士に、病院の再建そのものを依頼するというのも1つです。
病院の再建も、会社の再建も、個人の再建も、
基本的には、同じです。
売上(収入)を増やし、
経費や金融機関への返済(支出)を減らすしかないのです。

なぜ、弁護士に依頼した方が良いかというと、
経費その他の支払いの削減をするには、
従業員や金融機関を始めとする債権者と
交渉することとなりますが、
どうしても交渉がまとまらない場合には、
民事再生法などの法的手続によって再建を図るほかありません。

しかし、経営コンサルタントなどは、
自分で法的手続きを取ることはできないので、
交渉が決裂しないように、
従業員や債権者の言い分を飲むしかありません。
すると、病院に必要な支出の削減が
十分にできないおそれがあります。
だから、病院の再建は、いざというときは
法的手続を取ることが可能な弁護士に依頼する方がよいのです。
病院経営者には
法的手続きは避けたいという方の方が多いと思います。
しかし、それは、
怪しいコンサルタントに付け込まれる隙となります。

それから、再建そのものを弁護士に依頼しないとしても、
経営コンサルタントとの契約、
経営コンサルタントが進めようとしている計画や
行なっている行為について、
弁護士に相談した方がよいと思います。
そうすれば、いつのまにか
病院の経営権を渡す契約に
サインしてしまったということにはならないと思います。


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2006年3月2日(木)

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