弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第150回
新会社法は誰のため?

みなさん、最近になって新聞報道や書籍の広告などで、
「新会社法」という言葉を目にする機会が多いと思います。
この「新会社法」ってどういう法律だと思いますか?
実は、これまで、「会社法」という法律はありませんでした。
「商法」という商取引のルールを定めている法律の中に、
会社に関するルールも書かれてあり、
これを「会社法」と呼んでいたのです。
したがって、これまでは六法で「会社法」を探しても、
「会社法」は見つからなかったわけです。

今回、法律改正により、「会社法」という法律が制定されました。
だから、今度は、六法で「会社法」を見つけることができます。
この新しく作られた「会社法」は、
従来の「商法の中の会社に関する規定」
(これまで「会社法」と呼ばれていた部分)と区別するために、
「新会社法」と呼ばれています。
この「新会社法」は、平成18年5月1日から施行され、
適用されることとなります。
「新会社法」では、会社に関する新しい独立した
法律が作られたということだけでなく、
これまでの「会社に関する制度」を大きく変えたところがあります。

そこで、「新会社法」という名称がタイトルとなっている
書籍がたくさん販売され、新聞や雑誌などでも
取り上げられているのです。
みなさんの中には、起業を考えている人や
中小企業を経営したり、
そこに勤務したりしている人もいるでしょう。
うちの会社は作ったばかりだから、
あるいはうちの会社は小さいから、
「新会社法」なんて関係ないと思われているかもしれません。
しかし、「新会社法」は、
これから起業する人や中小企業にメリットがあるのです。


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2006年4月25日(火)

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