弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第169回
M&Aの相談が増えている

M&Aは、企業買収のことです。
バブル崩壊後、
倒産した企業あるいは倒産寸前の企業が、
会社再建のために、
外資系ファンドを始めとする
企業再生ファンドや
同業者に買収されたことは、
みなさんご存知のとおりです。

長期信用銀行が
外資系投資ファンドである
リップルウッドに買収された例がこれに当たります。
その後、IT関連企業など新興企業が、
新規事業に進出するために、企業を買収しました。
もともとネット上の
ショッピングモールを経営していた楽天が、
証券会社や旅行会社を買収したのが、
これに当たります。
買収する企業と
買収される企業の経営者の間で、
円満に話し合いで
買収の話がまとまるなら、
問題はありません。

しかし、上場企業の場合は、
お金を出しさえすれば
株式を誰でも自由に買えることから、
相手の経営者や従業員の意向を無視して、
企業を買収することができます。

これが敵対的買収です。
ライブドアが、
ニッポン放送(ひいてはフジテレビ)を
買収しようとした件など、
かなりテレビなどで報道されたことから、
みなさんも、ご存知のとおりです。
これらの有名企業や上場企業の買収は、
テレビなどで報道されますが、
HiQを読んでいるみなさんには、
ほとんど関係がないと思います。
どちらが勝つんだろうと、
野次馬的に見るには面白いですけどね。

これら華々しい有名企業や
上場企業の敵対的買収などに隠れて、
実は、上場もしていないし、
世間的には無名の
中小企業のM&Aの相談が増えているのです。
M&Aは、テレビなどで報道される
有名企業のものだけではない
ということを次回お話しします。


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2006年7月4日(火)

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