弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第170回
会社は換金可能な資産です

中小企業のM&Aの相談が
増えているという話しをしました。
その理由は、大きく分けると2つです。
1つは、経営が
うまく行かなくなった会社の再建のためです。
リストラする一方で
設備投資をしていけば
会社を維持できるはずだけれども、
その資金的余裕がないので、
資金力のある会社に
会社を経営してもらって、
会社を再建して欲しいというものです。

これは、バブル経済崩壊後、
上場企業でもありました。
中小企業でも、企業再建のためのM&Aがあります。
しかし、企業再建型のM&Aの場合、
買収される会社が
多額の負債を抱えているケースが多く、
これを買収する側が引き継いでも
再建できるのかが問題となります。
これらの負債を
引き継がないようにするためには、
民事再生手続や
破産手続など法的な倒産手続を取ってから
買収することが必要になるケースもあります。

もう1つは、
経営者が高齢になったけれども、
事業を承継する人がいないので、
会社を買って引き続き経営してくれる人がいれば
売却したいというものです。
上場企業にはない、
中小企業ならではのM&Aです。
経営者が高齢になったので、
会社を買ってくれる人がいるなら売却して、
会社経営から引退したい、
あるいは、会社の売却代金で
借金を返済してしまいたいなどということもあります。
これら、M&Aでは、
会社を売る側は、
買ってくれる人が見つかれば、
会社を引き渡して代金をもらえばそれでOKです。

しかし、買収する側は、
買った後で、借金や税金の滞納、
従業員、取引先とのトラブルが
出てこないとは限りません。
これらの点を、
買収する前によく調査する必要があります。 


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2006年7月6日(木)

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