弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第174回
二代目社長の失敗

前回、お話したとおり、
二代目社長は、
創業者社長という
大きな存在と比較されながら、
経営をしていかなければならないので、
かなりつらい立場でのスタートとなります。

そこで、二代目社長は何をするかというと、
創業者社長に対抗するために、
手柄を立てようとして、
新しい経営方法の導入や
新規事業の立ち上げなど
何か新しい大きなことをやろうとします。
二代目の立場に立てば、
気持ちはわかります。

しかし、大抵、
これが失敗の元となります。
二代目は、創業者と比較して
バカにされないようにと、
功を焦りがちです。
そこで、これまでのやり方を無視して、
早急な利益を求めようとします。
しかし、短期間で利益が上がるような
経営方法や新規事業は、
そう簡単にあるわけではありません。
また、これまでの従業員や取引先が、
新しい経営方法や
新規事業に適用できるとも限りません。

結局、新しい経営方法を導入するのに、
多額のコンサルタント料を支払って、
結局は何もならなかった。
あるいは、多額の借金をして
新規事業を立ち上げたけれども
借金だけが残った。
ということになりがちです。
結局は、二代目社長が
古い従業員たちを
見返すつもりでやったことが、
却って、自分への信用を
失わせることになってしまうのです。

創業者社長の時代の経営が、
赤字続きになっていた場合には、
大胆な改革をすぐにする必要があります。
しかし、創業者社長時代の経営で
そこそこ利益を出しているときは、
1年はおとなしくして、
新しい経営方法の導入や
新規事業の立ち上げは避けた方がよいと思います。
よく会社や従業員のことを理解し、
経営者として
一通りのことができるようになってから、
再度自分のしようとする経営方法や
新規事業について、
検証した後に、導入しても遅くはありません。


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2006年7月20日(木)

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