弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第216回
3人で起業したケース

前回から、起業する際には、
持ち株比率が大切だという話をしています。
ABCの3人で起業した場合、
平等に株を持つとして、
会社の持ち株比率は、
A34%、B33%、C33%とするのが普通でしょう。

3人で仲良くやって
行けるのなら問題はありません。
しかし、人間3人集まれば
派閥ができるというように、
2対1に分かれる可能性があります。
3人の場合、2人が手を組めば、
株式数の過半数を押さえることができます。
そうすると、残った1人を
会社から排除することが可能となります。

会社が成功するかしないか
わからないうちから
そんなことを考える人はいませんが、
会社が大きくなって、
収入が多くなってくると、
欲に目がくらんで
そういうことを考える人間が出てくるのです。
AB2人で、起業して、
株式をA50%、B50%持っているとしましょう。

事業が有望で、
ベンチャーキャピタルから、
資金援助として、
30%くらい出資してもらったとしましょう。
そうすると、
ベンチャーキャピタルと
AとBの持ち株比率は、
ベンチャーキャピタル30%、
A35%、B35%となります。
何ということはないように思えますが、

実は、これで、
AとBの均衡が崩れる可能性があるのです。
ABの一方が、
ベンチャーキャピタルと手を組むと、
過半数の株を押さえることができてしまうからです。
ビジネスパートナーとは信頼関係が必要で、
相手を信頼しなければ
うまく行かないのは当然です。
しかし、隙があると、そこに目を付け、
利益を得ようとする者が出てきて、
トラブルとなってしまい、
結局はうまく行かなくなってしまいます。

共同で起業するときには、
持ち株比率をよく考える必要があります。


←前回記事へ

2006年12月14日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ