弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第224回
保証人になるとどうなるか

読者からの質問です。

「父の会社の1億円の連帯保証人になるよう頼まれました。」

1、もし会社が、6000万しか返せなかった場合、
銀行は私に請求してくるのは、
残り4000万円だけなのでしょうか?
1億円の保証だから、
私に1億円を請求してくる
ということはないでしょうか?

2、連帯保証した場合、
今後、私が、自分で、資本をつくり、
会社を起こした場合、
私の名義の株券も差し押さえられるのでしょうか?

保証人になるという話はよく聞くと思います。
でも、実際、保証人になったら、
どこまで責任を負うのかについては、
借入れをした人
(「主債務者」といいます)が破産して、
銀行から保証人に請求が来て
初めて考えるという人が多いようです。
知り合いに頼まれると、
迷惑をかけないからという言葉を信じて、
それほど深く考えずに
保証人になってしまう方が
多いからかもしれません。

保証人になる前に、
保証人になったらどうなるのかを
弁護士に聞いておこうという姿勢は
とてもよいことだと思います。
みなさん、何かをしようとするときは、
印鑑を押す前に弁護士に相談してください。
印鑑を押す前であれば
弁護士に相談した後に止めることはできますが、
印鑑を押した後では、
弁護士に相談しても
なかなか元に戻すことは
できないことが多いですから。

さて、1億円の借入れについて、
会社が6000万円を返済したところで、
返済ができなくなった場合、
保証人には、どういう請求が来るか
という質問に回答します。

既に、会社が1億円の借入金のうち、
6000万円返済を終えていれば、
銀行は会社に対して4000万円しか請求できません。
だから、もちろん、
銀行は保証人であるあなたに対しても
残借入額の4000万円しか請求できません。

ただ、4000万円については、
未払いの利息や延滞金があれば、
これに加算して支払わなければなりません。
2番目の質問については、
次回に回答します。


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2007年1月16日(火)

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