弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第247回
学校の先生受難の時代

最近、いじめ、未履修、学力格差、
学級崩壊、セクハラなど、学校に関する問題で、
何かと学校の先生が批判されることが多くなっています。
そのことと、景気がよくなったことが相俟って、
学校の先生になりたい
という希望者が減っていると聞きます。
もちろん、先生自体が、いじめに参加していたり、
セクハラやわいせつ行為を
行なったりしているケースは論外です。
しかし、その他の問題は、
学校や先生だけが非難されて
解決する問題なのでしょうか。

学校の先生は、
勉強を教えるのが、主たる仕事です。
その勉強を教えるだけでも、
公立の小中学校では、
生徒の能力に差があるので、
どのように教えたらよいのか、
解決困難な問題です。
基本的なしつけができておらず、
生活習慣が身に付いていない生徒もいます。
だから、学校の先生は、
真面目にやろうとすれば、
勉強を教えるだけでも、
かなりの労力が必要なはずです。
ところが、クラスに不登校の生徒がいれば、
その生徒に対する対応をしなければなりません。

給食費を払わない親がいれば、
給食費の督促もしなければなりません。
学校周辺に不審者が現れれば、
生徒の安全確保の手段を講じなければなりませんし、
外部から危険な人物が進入することにも
対策を立てなければなりません。
他にも、部活動など
学校の先生がしていることはたくさんあると思います。

その中で、生徒が生徒をいじめているのか
普段からチェックして、
いじめを止めさせるよう
指導することも求められています。
いじめを先生など
大人にわかるようにするいじめっ子はまずいません。
聞かれて、素直に、
自分はいじめてました
と認めるいじめっ子もいないでしょう。

そういう中で、いじめを止められなかった場合、
先生が非難の矢面に立たなければならないのでしょうか。
学校や先生が、
法的責任を問われなければならないのでしょうか。
真面目な人ほど、先生は割に合わないので、
「ならない」あるいは「辞める」
ということになってしまいますよね。


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2007年4月5日(木)

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