弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第250回
メールの落とし穴

メールは、遠く離れた人に対しても、
迅速に、しかもほとんど費用をかけずに、
情報を伝えられるコミュニケーション手段で、
とても便利なものです。
しかし、メールが便利だからといって、
何でもメールでやろうとすると、
思わぬトラブルになってしまうこともあります。

以前、メールに関するテレビ番組で、
例えばメールで「バカ」と言われるのと、
口で「バカ」と言われるのは、
メールで言われた方が、強く言われた感じがする
ということをやっていました。
また、メールでは、普段面と向かっては言い難いことも
言い易いということにも触れられていました。
みなさんは、どう思われるでしょうか?

メールでは、言っている方の言葉の調子や
ニュアンスが伝わらないので、
同じ「バカ」と言われても、
メールの方が強く言われるように
感じられるのだと思います。
また、メールは、書いて
送信ボタンをクリックするだけですから、
言い難いことも簡単に言えてしまうような気がします。
メールには、このような特性があるので、
契約関係や財産関係、家族の問題など、
重要な問題を、ずっとメールだけでやり取りしていると、
相手方が自分を悪く思っていたり、
何か自分に不都合なことを
しようしたりしているのではないかと、
相互に不信感を抱くようになってしまうことがあります。

最初は、仕事をいっしょにうまくやろうとしていたのに、
メールでやり取りしているうちに
だんだん関係が悪化して行ったり、
離婚の問題を話し合っているうちに、
相手への不信が強くなっていって、
トラブルが大きくなったりしてしまうようなことがあります。

科学技術が発達しても、
人間は感情などの部分がありますから、
全てメールなどに頼らず、
face to faceで顔をつき合わせて話し合う方が、
トラブルにならないし、トラブルとなったときも、
うまく解決する可能性が高いような気がします。


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2007年4月17日(火)

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