弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第252回
スポーツ特待は悪いことか

プロ野球裏金問題に端を発して、
今、高校生の野球特待にまで問題が広がっています。

学生野球憲章では、
野球に関して奨学金を受けるなどの
いわゆる「特待生」を禁止しているからです。

甲子園で、県の代表なのに、
その県出身のレギュラーがあまりいないなどの問題の
原因となっているとも言われています。

特待生が、禁止されている理由は、
高校野球は教育の一環であること、
特待生が野球がうまいことによる
特権意識を持ってしまうおそれがあること、
高校生のお金による獲得競争が生じるおそれがあり
教育上好ましくないことなどが挙げられています。

これらの理由にはもっともだという気もします。

しかし、この問題の難しい点は、
他のスポーツは特待生が認められているということです。
音楽や学問の分野でも
特待生は広く行なわれているのではないでしょうか?

他のスポーツでも、勉強でも、音楽でも、
野球が特待生を禁止している理由が
当てはまるのではないでしょうか?

とすれば、全ての分野で
高校生の特待生を禁止すべきということにもなってしまいます。

でも、一方で、
ある分野で才能がある高校生に奨学金を出して、
才能を伸ばそうとすることは、
良いことのような気がします。

才能を伸ばす環境を整えることには、実際問題お金がかかります。

スポーツ特待による援助を受けたことで、
その才能が伸ばされた
というスポーツ選手はいるのではないでしょうか?

なかなか難しい問題で、
どうすれば良いかはよくわかりませんが、
全ての分野において、公平で明確なルールを決めて、
決められた以上は、そのルールに従うことが必要だと思います。


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2007年4月24日(火)

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