弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第313回
広いと土地は安くなってしまう

以前、弁護士は意外に土地などの不動産を売却する機会が多い
というお話をしました。
都心の場合、面積が大きいと高く売れません。
理由は、土地の面積が大きいと価格が高くなりすぎ、
エンドユーザーである一般のサラリーマンなどには
購入することができないからです。
業者が購入すると、
当然、業者の利益の分購入価格は安くなってしまいます。

150uの土地に戸建が建っていたとします。
地方の方には理解できないでしょうが、
敷地が150uは都心の戸建としては、
まあ大きいかゆったりしている感じです。
このまま購入してくれればよいのですが、
都心、特に23区内では、
土地の価格が
一般のサラリーマンの購入可能な金額を超えている可能性が高く、
なかなかそのままでは売れません。
そこで、建売業者などが2区画あるいは3区画で、
売却できないかということを、
道路付けや間口の広さなどから、検討します。

うまく2区画から3区画に分けられれば、
土地の価格は下がりませんが、
2区画や3区画に分けられないと、
土地の単価×面積分の価格で売却できません。
道路付けの悪い土地や間口の狭い土地ができてしまえば、
その土地は価格がかなり下がってしまいます。

地方の方に、
150uが敷地として広いなんて言うと笑われてしまいますが、
実際、都心で人気のある
田園都市線三軒茶屋駅徒歩10分くらいの場所にある土地は、
50u弱で4700万円の価格で売りに出されています。
150uだと、1億4100万円です。
これは、土地だけですから、
さらに家を建てなければ住むことができません。
土地が300uくらいでも、事情は同じです。

だから、50uくらいに分けて、
一般のサラリーマンが土地を購入して、
家を建てて住めるような価格で販売しているわけです。
広い土地も、マンションが建つくらいの広さであって、
都市計画法上、マンションが建てられるということであれば、
価格もまた違ってきます。





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2007年12月6日(木)

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