弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第315回
共有物の分け方

前回、共有物の分け方は、
1・共有物をそのまま分ける方法
2・売って代金を分ける方法
3・共有物を取得する人が他の人にお金を支払う方法

の3つがあるという説明をしました。
わかりやすいように、土地で説明します。

は、土地を分筆して
どこからどこまでが誰のものかはっきりさせるという方法です。
この方法のメリットは、
誰がどこを持っているかはっきりするので、
後は各自が好きなように処分すればよいということになります。
しかし、実際上は、
共有者がたくさんいると、
小さな土地がたくさんできて、
売り物にならない可能性があるというデメリットがあります。
また、道路付けや日当たりなどの関係で、
価値を均等に分けるのが難しいということもデメリットです。

の方法は、
土地を売ってしまえば、客観的な価値がわかりますし、
その代金を持分に応じて分ければよいだけなので、
一番わかりやすいです。
しかし、せっかく取得した土地、
あるいは先祖代々続いてきた土地を
手放すことになってしまうというデメリットがあります。

は、共有者の誰かが、
土地をずっと所有し続けることができる
というメリットがあります。
しかし、土地の価格は売ってみないとわからないので、
土地を取得する人が
持分を手放す人に対していくら支払うか
という金額を決めることが難しいです。
土地を取得する人は安く評価するでしょうし、
持分を手放す人は高く評価するでしょう。

これら、共有物の分割方法には、
一長一短がありますので、
共有者間の人間関係や
そのときの資力などを考慮して決める他ありません。
話し合いで決められない場合には、
裁判所に分割方法を決めてもらうことができます。





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2007年12月13日(木)

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