弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第346回
今どきの若者はリスクを避け保守的

みなさん、若者というとリスクを省みず、
チャレンジするというイメージを持っていると思います。
そこで、今どきの若者は
リスクを避け保守的だというニュースを見ると、
今の若者は軟弱になったとお思いになるのではないでしょうか?

しかし、僕の考えでは、今も昔も、
若者の方が保守的で、
リスクを避ける傾向にあると思っています。

以前から、学生の就職ランキングを見れば、
日本で、名だたる大企業が上位にランクされます。
これは、20年以上も前の僕の学生のころも同じで、
多分それ以前もそうだったはずで、
今に始まったわけではないわけです。

弁護士の最初の事務所選びも同じです。
最初は大手法律事務所に就職することを
希望する人が多いと思います。
これらは、若者に、知識や経験がないからだと思います。

自分が就職しようとする会社に
今後どれくらい成長見込みがあるのか、
自分は、会社でどれくらいの仕事ができて、
どれくらいの評価を得られるのか(リターンを得られるのか)など、
経験がなければ、見当もつきません。
 
だから、取り敢えず、
目先の給料が高く、安定しているところを選択するのです。
即ち、リスクを避け、保守的な立場を取るわけです。
ところが、社会人経験のあるみなさんは、
自分がどれくらいの仕事ができて、
どれくらいの評価を受けられるかがわかっています。

特に、起業をして成功しているみなさんは、
自分が得たリターンと比べて
自分が負ったリスクがどの程度かわかりますから、
大きなリターンを得られるなら、
多少給料が少ないくらいは、
何でもないと考えることができるのです。

僕も、今なら、1人前の弁護士になれるよう仕事をさせながら、
事務所の運営の仕方まで教育してくれるのであれば、
給料は最低限で、小さな事務所でもよかったと思いますが、
就職活動のころは、規模が中堅以上で、
給料も普通よりも多いところを希望して探していました(笑)。

みなさんも、
自分の過去を考えたら、そうじゃないでしょうか。
リスクを避け保守的なのは、
今どきの若者だけじゃないと思います。





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2008年4月3日(木)

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