弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第356回
大手外資系証券会社も騙された!

みなさん、新聞やテレビのニュースでご存知かもしれませんが、
医療再生コンサルティング会社が、
医療再生ビジネスを行い、
出資者に一定率の配当を約束し、
しかも、その出資金や配当について、
大手有名商社の支払保証があることをうたって、
何百億円もの出資金を集めたものの、
医療再生ビジネスも嘘で、
大手有名商社の支払保証も嘘だった
という大型詐欺事件が発生しました。

ここ何年もの間に、
出資金を集める大型詐欺事件が発生しているという話は、
以前も取り上げました。

これまでの大型詐欺事件は、
被害者が、出資や投資について
あまり経験や知識のない高齢者や主婦などの個人でした。
ところが、今回のこの大型詐欺事件で、注目すべきは、
被害者が大手外資系証券会社であることです。
報道によれば、ヘッジファンドも被害者となったようです。

大手外資系証券会社と言えば、
投資についてのプロ中のプロです。
ヘッジファンドも同じです。
そのような投資のプロが詐欺に遭って、
何百億円ものお金を騙し取られてしまったということが驚きです。

以前説明したとおり、
出資者に利回りを約束したり、
元本保証をしたりして出資金を集めるのは出資法違反です。

利回りの約束や元本保証がなされたという報道が正しければ、
この投資話は相当怪しいものだったと思われます。
しかし、大手商社の副社長の印鑑が押されていた文書や
印鑑証明書、大手商社の稟議書まで
偽造して用意されていたようです。

また、投資話は、
大手商社の会議室が利用されたりしたようです。
このときには大手商社の偽部長が対応したそうです。
このように巧妙に仕組まれれば、
まさか嘘だとは思わなかったとも言えそうです。

僕の言いたいことは、投資のプロでも詐欺に遭うのですから、
投資の素人であるみなさんが
詐欺に狙われたらひとたまりもないということです。
うまい話には気をつけましょうとしか言いようがありません。





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2008年5月13日(火)

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