弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第371回
ライブドアに95億円の賠償責任

近鉄球団やフジテレビの買収騒動で、
一躍有名になったライブドアですが、
有価証券報告書虚偽記載罪で、
経営者が逮捕されて、上場廃止になった後、
大分年月が経ちましたので、
みなさんの記憶の中から、
消えてしまったかもしれません。

そのときに、株主だった人たちは、
有価証券報告書の虚偽記載により損害を被りました。
そこで、株主は、会社や経営者に対し、
損害賠償請求を起こしていました。

その一部の株主の損害賠償請求訴訟で、判決が出ました。
その額、何と95億円。

この株主は、生命保険や信託銀行など、
他人から預った資金を株で運用していた会社なので、
損害も大きかったのだと思います。

株主からの損害賠償請求は、他にもあり、
今後、他の事件でも判決が出てくると思います。
株主が全部裁判で勝つと、何百億円になります。

ライブドアは、全額賠償できるのでしょうか?
できずに会社は倒産するのでしょうか?

今回の判決の詳細はわかりませんが、
経営者には、損害賠償請求を求めていなかったようです。

ライブドアは、控訴しましたが、
敗訴が確定して、
株主に95億円を支払うことになれば、
当時の経営者に対し、
当時の経営者が有価証券報告書に虚偽記載を行ったことから
会社が損害を被ったという理由で、
損害賠償請求をするでしょう。

もちろん、
他の株主のライブドアに対する請求が認められれば、
その分を当時の経営者に損害賠償請求するでしょう。

そのときに、経営者たちにお金は残っているのでしょうか。
他人事ながら、
このような巨額の賠償事件で、
判決で認められた金額が全額回収できるのか、
ちょっと興味がありますね。





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2008年7月3日(木)

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