弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第381
婚約破棄が増えている

最近、婚約破棄をめぐる相談や
依頼を受けることが多くなったなと思っていたら、
世の中で、婚約破棄が増えているようです。

婚約破棄の相談が増えているのは、
僕の事務所だけでなく、
日本支援センターでも増えているようです。

平成19年1月から6月では、
約300件だったのが、
平成20年1月から6月では、
685件と倍以上に増えたそうです。

婚約破棄の典型例は、
結納を交わした後で、結婚を取りやめるケースです。
結婚がいくら恋愛に基づくものだとしても、
婚約まで行くと、破棄する場合には、
ペナルティを受けることとなります。
具体的には、相手に損害賠償をする必要があります。

単に、交際していて
気持ちがなくなったから別れた場合とは、
法律上違うのです。

単に男女が交際していただけの場合、
片方の気持ちが無くなったということで別れても、
特に損害賠償をする必要はありません。

婚約破棄により、
結婚準備にかかった費用が無駄になれば、
それを賠償する必要があります。

例えば、婚約指輪については、
再利用は実際上できないでしょうから、
返せばよいというものではなく、
買った金額を賠償する必要があると思います。

また、結婚後の住居として用意した賃貸住宅の場合、
これも無駄になったとすれば、
借りるのにかかった費用を賠償する必要があります。

それから、
婚約までしたのに破棄されれば精神的苦痛を被りますから、
破棄した方は慰謝料を払う必要があります。
額的には50万円から200万円くらいの間でしょうか。

婚約までしていなくても、
交際相手に振られれば精神的苦痛を被るでしょうが、
単に振られただけでは損害賠償請求はできません。

結納を交わしたり、
式場を予約したりすれば、
婚約であることは明確ですが、
単に同棲したり、結婚しようと言葉で言っていただけでは、
婚約していたかどうかは、
事情によって違ってきます。





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2008年8月7日(木)

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