弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第391
相続税は安い方がよいか?高い方がよいか?

みなさん、相続税は高いというイメージがあると思います。
しかし、実際は、相続税を支払う相続は、
100人が亡くなった場合、そのうちの5人くらいだそうです。

実は、ほとんどの人が相続を受けても、
相続税を支払っていないのです。

その理由は、相続税を計算する場合には、
基礎控除といって、
遺産があっても一定額までは
相続税がかからないようにしてあるからです。

例えば、ご主人がなくなって、
奥さんと子供2人が残された場合、
基礎控除額は、
5000万円+(1000万円×3)=8000万円となりますから、
遺産が8000万円を超えないと相続税が全くかからないのです。

その他にも、
住居用や事業用の宅地の評価を低くする特例などがあって、
結構、相続税を支払わずに済む人が多いのです。

高齢化社会に向けて、税収が少ないので、
国は、この相続税を多く取れないか
ということを考えているようなのです。

そこで、以前から、相続税を多く取るために、
基礎控除の額を減らすことや
相続税率のアップをしようということが議論されています。

相続税が低いと、
お金持ちの子供は、親から相続する遺産が多くなりますから、
お金持ちの子供は、
いつまでもお金持ちである可能性が高くなります。

逆に、相続税が高いと、
お金持ちの子供でも、
親からの遺産はほとんどが国に取られてしまいますから、
お金持ちのままでいるには、
相当に努力しなければなりません。

人間は生まれながらにして平等だということであれば、
相続税を高くして、
お金持ちの子供でも、
お金持ちになれるとは限らない
という風にした方がよいように思えます。
国の税収も増えますしね。

しかし、実際は、そう簡単には行きません。
次回に続きます。


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2008年9月18日(木)

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