弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第458回
契約違反のペナルティ

契約書では、
当事者が守らなければならない内容が書かれています。

「商品を約束の日に引き渡す。」などです。

しかし、契約を守らない人や会社もいます。
相手に契約違反があったときにどういうことが言えるかというと、
まず、契約を守れと言うことができます。

先ほどの例で言うと、
「商品を引き渡せ」と言うことができます。

次に、契約を解消することができます。
これを契約の「解除」と言います。

契約違反を理由に契約を解除されると、
商品を引き渡さなかった方は、
商品を引き渡す義務がなくなりますが、
代金を受け取る権利もなくなります。

即ち、商品を売って儲けようとしていたのに、
利益が得られなくなることになります。

代金を前払いでもらっていれば、
契約を解除された場合は返さなければなりません。

また、相手の契約違反によって、
損害を受けた場合には、損害賠償請求ができます。

例えば、こちらが相手から購入した商品を
転売する約束をしていた場合、
相手が商品を期日までに引き渡さなかったため、
高い代替品を他の人から買って
転売しなければならなかったというケースでは、
高い代替品と
当初購入しようとしていた商品の代金の差額が損害となり、
これを損害賠償請求することができます。

最後の損害賠償請求は、
その額が大きくなればペナルティとなりますが、
損害額が小さかったり、最初の引渡しを求めたり、
ただ、契約を解消したりするだけでは、
相手にペナルティを与えたことにはなりません。

契約にペナルティがなければ、
相手も契約を守らないかもしれません。

そこで、相手に契約を守らせるために、
契約書に定めておくのが違約金です。

「商品を引き渡すのが遅れたら1日あたり○○円の違約金を支払う」
あるいは「商品を引き渡さず、
こちらが契約を解除したときは、違約金○○円を支払う」という
ように定めておきます。

違約金を定めること自体は、合法ですから、
違約金を定めることができる立場にあれば
違約金を定めた方が良いでしょう。

ただし、あまりにも高すぎる違約金を定めると
例外的に暴利行為として無効になります。 


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2009年5月21日(木)

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