弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第460回
刑事で、訴えられたら

裁判には、刑事裁判と民事裁判があります。
今回施行された裁判員制度は、
刑事裁判についてです。
民事裁判には適用はありません。

「HiQ編集部から」で、
僕の著作「訴えられたらどうする!!
が取り上げられていますが、
僕の著作は、民事裁判で訴えられたときに
どうするかについて書いた本なので、
刑事裁判で裁判員をするときには、あまり役に立ちません。
お間違えのないようにしてください。

「訴えられた」という場合、
民事と刑事と2つの手続が考えられます。

民事事件では、民事裁判を起こされたことが、
「訴えられた」ということになります。

刑事事件で訴えられたという場合も、
刑事裁判を起こされたという意味になるように思えます。

確かに、刑事裁判を起こされたことも、
訴えられたと言って間違いはないと思います。

しかし、刑事裁判を起こすことができるのは、
「検事」だけです。
この刑事裁判を起こすことを「起訴」と言います。

みなさんが、「訴えられた」というときの「訴えられた」は、
検事に起訴されたという意味ではないと思います。

みなさんが「訴えられた」と言うときは、紛争の相手方から、
警察などに、犯罪をしたから捜査して欲しいと言われた
という意味で使われているでしょう。

この警察などに
ある人が犯罪をしたから捜査して欲しいと申告することを
刑事告訴」「刑事告発」と言います。

ちなみに、被害者が申告する場合を「告訴」、
第三者が申告する場合を「告発」と言います。

だから、一般的に、刑事事件で、
「訴える」とか「訴えられた」という場合には、
「刑事告訴」するとか「刑事告訴」された
ということを意味します。

民事事件で「訴えられる」と、
刑事事件で「訴えられる」の意味の違いが
おわかりになったでしょうか?


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2009年5月28日(木)

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