弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第466回
賃料保証会社の倒産

マンションなどの借主に適切な保証人がいないときに、
代わりに保証人になってくれる賃料保証会社は、
貸主にとっても借主にとっても
メリットは大きいという話を前回しました。

そこで、賃料保証会社に対する需要が大きいのか、
賃料保証会社は、増加しているようです。

賃料保証会社は、賃料の滞納がなければ、
保証料がそのまま利益になります。

しかし、逆に、賃料の滞納が増えれば、
保証料よりも多い滞納賃料を支払わなければならず、
損をします。

保証料との関係で、どれくらいのリスクを取るか、
即ち、どれくらい滞納の可能性のある借主の保証をするか
ということがポイントになります。

賃料保証会社が少ないときには、
支払能力のある優良な借主のみの
保証人になればよかったのでしょうが、
賃料保証会社が増えて競争が激しくなれば、
支払能力に多少問題があっても
保証をしないと売上げが伸びません。

また、この不況で、賃料の滞納をする借主も増加しています。
そうなると、賃料保証会社の財務内容も悪化してきます。
場合によっては、倒産する可能性もあります。

借主が賃料を支払わず滞納したときのための保証会社なのに、
保証会社が先に倒産しては、シャレになりません。

賃料保証会社の最大手のリプラスが破産してしまいましたから、
賃料保証会社を保証人として付ければ
安心というわけでもないようです。

ちなみに、リプラスが破産した原因は、
賃料の滞納の増加ではなく、
不動産投資の失敗のようです。

賃料保証会社については、今のところ法的な規制がないので、
規制を検討しようとされているところです。

賃料保証会社を利用する場合には、
その財務内容を確認させてもらうなどが必要かもしれません。

マンションやアパートを賃貸している人は、
契約書に、保証人が破産や死亡した場合は、
代わりの保証人をつける条項を
入れておいた方がよいと思います。


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2009年6月18日(木)

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