弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第470回
修繕積立金を使い込み?

マンションでは、
各所有者が将来の大規模修繕のために、
修繕積立金を積み立てているのが普通です。

大きなマンションほど、その額は大きくなります。
そのお金の管理を
管理会社に任せているケースもあるでしょうし、
管理組合の役員が管理しているケースもあるでしょう。

管理組合の役員については、
各所有者が持ち回りでやっているマンションが多いと思います。
しかし、管理組合の役員なんて、
面倒だからやりたくないという人がほとんどだと思います。

そこで、一部の人が、長期に亘り、
役員になっているマンションもあるようです。

特定の人が長期に亘り、マンションの理事長をやっていると、
他の所有者は、その人に任せきりで、
細かいことを言わなくなり、
あるいは、言えなくなったりします。

そういう状態のときに、マンションの理事長が、
お金に困ったりすると、
この修繕積立金で何とかしようと考えます。

また、自分の利益のために使えないか
という誘惑に駆られたりもします。

単純に、管理組合の通帳から
お金を下ろして使ってしまうというケースもありますが、
それだと使い込みがばれてしまうので、
架空の修繕工事を発注したり、
自分の知り合いの業者に高い金額で発注して
リベートをもらったりと偽装工作をすることが考えられます。

こういう偽装工作は、年月が経過してしまうと、
偽装だと立証することは難しくなるので、
泣き寝入りとなってしまいます。

みなさんが、修繕積立金は、
マンションを維持するために
長期に亘って積み立てた貴重なお金です。

だから、特定の人に役員を任せっぱなしにしないで、
役員を変更することも必要ですし、
ときには、管理費や修繕積立金が適切に使われているのかを、
チェックすることが必要です。


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2009年7月2日(木)

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