弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第502
ネットでの情報提供は儲からない

僕もそうですが、読者のみなさんも
ネットの情報は無料と思っている人が多いのではないでしょうか。
一部は有料会員制で情報提供がなされているかもしれませんが、
ネットの情報は、無料のものがほとんどです。
そこで、ネットでの情報提供をビジネスにしようとしたら、
広告を掲載し、広告料収入を得るという方法が取られています。

ヤフーのように、総合ポータルサイトで、
桁違いのアクセス数があれば、
広告料収入も得やすいとは思います。
また、逆に、特定の趣味や専門的な分野など
あまり扱う人がいない分野でアクセスを増やすことができれば、
その分野の広告を得やすいかも知れません。  

しかし、現実は、有料会員制も難しく、
ネットでの広告料を得ることも難しいようです。
大手新聞社や雑誌の出版社が、
新聞や雑誌の収入減を補うために、
ネットで記事を配信したりしています。
その情報を見る方としては、助かります。
しかし、ネットでの記事の配信は、
新聞や雑誌の購読料の減収分を補うには、ほど遠いようです。

あまりネットでの情報提供が充実すると、
かえって、新聞や雑誌を講読しなくてもよいということに
なりかねません。
実際、アメリカの新聞社は、倒産するところも出てきたり、
有料でのネット配信にしたりするところも出てきているようです。

無料に慣れてしまった読者が、
有料でのネット配信にすると言われたら
購読を継続するのかは、疑問です。

hiQも無料の情報配信ですが、もし有料の会員制にしたら、
どれだけの人が見てくれるでしょうか。

本当は、有意な情報には、
対価を支払って取得するシステムが
あった方がよいとは思いますが、
これだけ無料の情報があふれていると、
ネット上の情報提供だけでビジネスを成立させるのは
現実的には難しいのではないかと思います。


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2009年11月3日(火)

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