弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第551回
民暴撃退マニュアル

企業のための民暴撃退マニュアル」は、
僕が、12年前に、書いた本です。

当時、大手都市銀行が
総会屋に利益供与をしていたことが発覚し、
銀行や証券会社が
総会屋などからの機関紙購読を止めて縁切りをするなど、
民事介入暴力対策が話題になっていたころでした。

また、バブル崩壊後の不良債権処理に、
民事介入暴力があったので、
その対策も必要ということもありました。

僕は、そのころ、
弁護士会の民事介入暴力被害者救済センター運営委員会の
委員をしていたことから、
一般の人向けに、
民事介入暴力の一般的な対応を含めて書いて欲しい
と出版社から依頼を受けて執筆することになりました。

法律家の本は、一般の人向けでも専門用語が多く、
文章も難しいことが多いのですが、
一般の人に読みやすく、わかりやすい言葉で書いたつもりです。
それは、このHiQのコラムと同じです。

本は「企業のための」というタイトルのとおり、
企業の方が対象となっています。
しかし、それは、
企業の方が民事介入暴力の対象となりやすいから、
そういうタイトルにしたのであって、
民事介入暴力の対象には、
企業に限らず、個人もなることがあります。

民事介入暴力というのは、
民事事件について、
暴力を使って有利に解決しようとすることだからです。

そして、暴力を背景にトラブルを有利に解決しようと思うのは、
暴力団や総会屋、えせ右翼、
えせ同和といったプロだけではありません。

兄弟が、民事介入暴力を行うような人間で、
遺産分割で財産を独り占めしようとしているので
何とかして欲しいという依頼を受けたこともあります。

この本では、
民事介入暴力案件では
不当な要求には断固拒否しろと言われているけれども、
具体的な場面でどうしたらよいかわからないという要望に応えて、
具体的に相手がどのような交渉方法を取ってきて、
それに対して、具体的にどういう対応をとればよいか
ということが書かれています。

そして、実は、民事介入暴力に対する交渉方法は、
通常のトラブルでも通用する交渉方法なのです。

僕は、民事介入暴力か、
通常事件かで、交渉方法を変えたりはしていません。

だから、民事介入暴力における交渉方法を知ることは、
通常のトラブルでどう交渉するかを知ることにもなります。

興味がある方は、読んでいただければと思います。

なお、長年以前の事務所で撮影した
ちょっと暗い写真を掲載していましたが、
この度、新しい事務所に移転してから5年も経ってからですが、
僕の写真を撮影したので、
HiQに掲載する写真を変えてもらいました。

顔の良い悪いは別として、
明るく僕の顔がわかる写真になりましたから、
興味のある方は下まで見てみてください(笑)。


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2010年5月13日(木)

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