弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第574回
投資ファンドは登録してても危ない

僕が、このHiQのコラムを書いてから、
いわゆる投資詐欺が相次ぎました。

投資詐欺は投資対象が違うだけで、
そのほとんどが、多数の人から、多額のお金を預って、
運用して、高利回りの配当をすると約束しながら、
ほとんど運用せず、配当ができなくなったら、
元本の返還請求が相次ぎ、
投資ファンドが破綻し、破綻してみたら、
お金は残っていなかったというケースです。

そこで、金融商品取引法で、
そもそも、投資ファンドを営む場合は、
金融商品取引業の登録を
行わなければならないこととなっています。

ところが、最近、この登録を行わずに、
FXトレードや
未公開株の投資ファンドを運営していた業者が逮捕されました。
集めたお金は、50億円から100億円くらいだったと思います。

せっかく、法律上、投資ファンドを登録制にしたのに、
みなさん、登録業者かどうかを確認せずに、
高利回りに引かれてか、お金を預けてしまうんですよね。

しかし、この投資ファンドは、
登録業者でも、危ない
という記事が毎日新聞に掲載されていました。

現在、登録や届出をしてある投資ファンドは、
約4000社もあるそうです。

しかし、証券取引等監視委員会は、
「投資ファンドを運営する業者が多すぎて検査が追いつかない」
と言っているそうです。

登録業者であっても、顧客から預った資産について、
その多くが使途不明になってしまったり、
投資ファンド運営会社の借金の返済に回されたりしてしまうなど、
きちんと運用されていない実態もあるようです。

しかし、証券取引等監視委員会の検査が追いつかないため、
悪質な投資ファンドが放置されているようなのです。

高利回り、高配当に釣られず、
投資ファンド運営会社が信用できるか、
よく確認して、投資をしてください。

今の経済状況で、高利回り、
高配当をうたい文句に投資資金を集めているファンドは
それだけで怪しいですね。
 


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2010年8月5日(木)

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