弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第592回
離婚で住宅ローンはどうなる?

離婚で、結構問題となるのは、住宅ローンです。
2人あるいはその家族で住もうと思って取得した自宅ですが、
ローン完済前に、離婚ということになることは多いです。
そこで、問題となるのが土地建物と住宅ローンです。

土地建物の評価額と住宅ローンの残高、
住宅ローンの借主、連帯保証人、離婚後に住み続けるのか、
住み続けるのは誰かなどによって、いろいろ問題が生じます。

土地建物の評価額が
住宅ローンの残額よりも上回る場合の説明をします。

まず、売って分けるという方法があります。
土地建物の評価額が住宅ローン残高を上回るときには、
売って分けることは、比較的簡単です。

土地建物を売却し、住宅ローンを支払って、
売却代金の余りを2分の1ずつ分ければよいからです。

次に、ローンの名義が夫で、
夫が住み続ける場合を考えます。
このときには、土地建物の評価額から
住宅ローン残額を引いた金額を2で割った金額を
妻に支払うこととなります。

これは簡単なようですが、
土地建物の評価額は、実際に売らないので、
いくらが妥当かわかりません。
お金をもらう方の妻は、
土地建物はもっと高く売れるはずだと言うでしょうし、
夫は、土地建物は安くしか売れないはずだと言うでしょう。

この評価額を巡って争いになります。
仮に、評価額について折り合いが付いたとしても、
問題は残ります。

それは、妻あるいは妻の父親などが
連帯保証人になっている場合です。

夫が代わりの連帯保証人を用意しなければ、
連帯保証人から抜けられません。
ただ、土地建物の価格が住宅ローン残高を上回っているときは、
土地建物を売れば、
身銭を切ってまで支払いをしなくてもよくなるので、
まだ救われます。

最後は、住宅ローンの名義が夫で、
妻が住み続ける場合ですが、
これについては、次回説明します。


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2010年10月12日(火)

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