弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第653
2年毎に登記しないと罰金が

みなさんの中には、
会社を経営している方も多いと思います。
会社を作るときは、登記をしなければなりません。

そして、以前は、商法上、株式会社の取締役の任期は、
2年だったことから、
2年毎に、任期満了・選任の登記をしなければなりませんでした。

この取締役の登記は、
たとえ、同じ取締役が継続する場合でも、しなければなりません。
この登記を怠ると、100万円以下の過料
という罰金のような制裁が科されることになります。

以前は、登記をしないで放置しておいて、
過料が科されるということはほとんどありませんでしたが、
今は、ときどき、
登記を放置しておいたら過料の通知が来た
という相談を受けることがあります。

だから、取締役の任期を2年としたままにしている会社では、
2年毎に登記をする必要がありますので、注意してください。

ただ、商法は改正され、会社法になり、
中小企業で、役員の変更はほとんどありえない
という株式会社では、
取締役の任期を10年にすることができるようになりました。

役員の任期を10年とすれば、
役員の任期満了・再任の登記を、
10年に一度すればよいこととなります。

この役員の任期を10年にする方法は、
株主総会を開いて、
役員の任期を10年にすると
定款を変更する決議を行えばよいだけです。

定款というのは、会社の決まりが書いてあるもので、
会社を設立するときに、必ず作成し、
公証役場の認証という手続きを得る必要があるので、
どの会社にもあるはずです。
この定款がないと、会社の設立登記はできません。

以前の商法の時代に、設立した多くの株式会社では、
取締役の任期は2年になっているでしょうから、
定款を変更し、
取締役の任期を10年に変更することをお勧めします。


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2011年5月19日(木)

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