弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第652回
今度は通貨詐欺

産経新聞のネットニュースで、
新たな投資詐欺のニュースを見つけましたので、
お知らせします。

その手段は、
イラクの通貨イラクディナールや
スーダンの通貨スーダンポンドです。

「○○を購入すれば、儲かる。」
「○○に投資すれば、儲かる。」というのは、
投資詐欺の基本で、これまで、このコラムで、
摘発される度に取り上げてきました。

今回は、イラクの通貨イラクディナールや
スーダンの通貨スーダンポンドを買えば、
儲かると説明して、
通貨の購入を勧誘していたというものです。

イラクの通貨イラクディナールも、
スーダンの通貨スーダンポンドも、
マイナーな通貨で、
みなさん、市場のレートなど知らないでしょうから、
そこに付け込んだと思われます。

僕も、今回のニュースを見るまで、
イラクの通貨の単位や
スーダンの通貨の単位が何であるかを知りませんでした。

ましてや、
それらの通貨の円との交換レートなど知りませんでした。

国民生活センターによれば、その被害額は、
国民生活センターが把握しているだけで、
33億円だそうです。

投資詐欺のニュースが出ると、
その被害額に驚きますが、儲かると説明すると、
そんなに、日本では、
お金が集められるのかと、その点でもびっくりします。

いつも言いますが、騙した方が悪いです。
しかし、詐欺事案では、騙し取られたお金は、
ほとんど戻ってこないのが現実です。

法律や判例では、儲かると説明して、
投資を勧誘してはいけないことになっており、
まともな業者は、儲かるという説明はしません。
投資の勧誘の際には、
投資のリスクとリターンを説明しなければなりません。

だから、セールスマンが○○に投資すれば儲かる
という説明をしてきたら、要注意なのです。

お金を出してしまったら、
泣いても、弁護士に依頼しても取り戻すことは難しいです。
みなさん、本当にお金を出すことには、注意してください。


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2011年5月17日(火)

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