弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第678回
裁判はどこで起こすか?

「訴える」というのは、民事裁判を起こすことです。
(刑事告訴をするという意味でも使われます。)
 民事裁判を起こすには、どうしたらよいかというと、
訴状を裁判所で受理してもらえばよいことになります。

そこで、どこの裁判所に訴状を出すのか、
ということが問題になります。

自分の最寄りの裁判所でよいかというと、
よい場合もありますが、だめな場合もあります。

この、どこの裁判所に民事裁判を起こすかという問題を
「管轄」(かんかつ)と言います。

管轄のない裁判所に訴状を提出しても受理してもらえません。
訴えることができないわけです。

基本的に、管轄は、相手の住所を対象とする裁判所にあります。
これは、訴えられる方の利益を考えているためです。
 
そこで、訴えを起こすには、
相手の住所を対象とする裁判所に起こせばよい
ということになります。

どの市町村をどの裁判所が対象としているかについては、
裁判所のホームページに載っています。
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/kankatu/index.html

訴えを起こそうと思うみなさんと、
訴えられる相手が、同じ住所あるいは住所が違っても
同じ裁判所であれば、そんなに面倒なことにはなりませんが、
相手が、遠方や不便な場所に住んでいる場合、
相手の住所を対象とする裁判所で裁判をするとすれば、
訴えを起こすのは、郵送で訴状を送るとしても、
毎回裁判所まで行くのは、交通費もかかるし、
時間もかかるし、大変です。

そこで、自分が近い裁判所で裁判ができないか、
検討する必要があります。
管轄は、相手の住所を対処とする裁判所1つだけではないのです。
 
それについては、次回にお話しします。


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2011年8月30日(火)

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