弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第730回
更新料が高すぎる

みなさん、マンションやアパートを借りて、
契約期間が満了しても続けて借りたいときには
契約を更新することとなります。
この契約を更新するときに支払うのが「更新料」です。

この更新料が無効なのかどうか、
最高裁まで争われ、
最高裁は高過ぎなければ有効としたことは
以前にもお話しました。
更新料を取ること自体は、無効とはならなかったのです。
全国の大家さんはほっと一息といったところでしょうか。

さて、その後、この最高裁判決を受けて、
無効となる「高過ぎる」更新料はいくらなのかが
裁判で争われました。
そして、この度、更新料の「高過ぎる部分」は無効
という判決が京都地裁で出たのです。

僕は、最高裁は1年で2か月分の更新料を取るのは
高過ぎないから有効と判断したので、
実際上、無効とされるケースはなかなかないと思っていました。

しかし、それは僕が東京周辺に住んでいるからなのですね。
京都周辺では、更新は1年毎で、
しかも更新料は2か月分よりも多いケースもあるようなのです。

今回、裁判で更新料が高過ぎるとされたのは、
1年毎に賃料の3.1か月分の更新料を取るというケースです。

判決は、1年ごとの更新料は年間賃料の2割が上限と判断し、
それを超える部分を無効としました。
年間賃料の2割というと2.4か月分となりますから、
この判決によると、毎年契約が更新され、
更新料が2.5か月分以上だと
更新料は高過ぎるということになりそうです。

東京周辺では、そんな更新料を取っているケースは
あまりないと思いますが、
京都周辺では問題となるケースがある
ということなのかもしれません。
京都周辺の更新料の事情について
ご存知の方は教えていただけると幸いです。
京都周辺では、
更新料を東京周辺よりも高く取る貸主側の事情についても
教えていただけるとありがたいです。


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2012年3月15日(木)

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