| 第771回邱さんの裁判
 
 HiQの連載もあと数回となりました。
 そこで、最後に邱さんとの思い出について書こうかと思います。
 以前邱さんの思い出で書いたとおり、邱さんが創業大学でコラムを書く人を募集していたので、
 僕がこれに応募したのが邱さんとの出会いでした。
 邱さんがご自分で過去のコラムで書かれていたとおり、裁判を起こされるということが何回かありました。
 邱さんは、お金持ちで有名人ですから、法律上請求が認められるかどうかは別として、
 裁判を起こせば何らかのお金を取れるのではないだろうか
 という思惑で、
 裁判のターゲットにされやすいということがありました。
 お金持ちで有名人は、裁判が面倒、あるいは悪い風評が立つのをおそれて、
 事件の見通しが仮に有名人が勝ちでも
 一定のお金を払って和解するだろうなどと、
 考えて裁判を起こされてしまうものなのです。
 有名な企業や大企業も裁判のターゲットとされやすいのは同じですね。
 そして、邱さんは、起こされた裁判について僕に依頼されたのでした。
 邱さんは、最初は自分は正しいのだから、弁護士が誰であっても勝つに決まっている
 と思っていたのかもしれませんが(笑)。
 邱さんは、裁判でも自分の正しいと思うことは自分が正しいと主張していました。
 証人尋問もしましたが、お元気で、裁判官が座って証言してもよいと言ったにもかかわらず、
 立って話すことに慣れていますからと言って、
 立って証言されていました。
 裁判は、数件あり、最初の裁判の依頼を受けてからは全て僕が担当しましたが、全て勝訴か勝訴的な和解でした。
 邱さんの名前を汚さずに済んでよかったと思います。
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